HYPERCO




HYPERCO TENDER SPRING


  • それは、適正な 「リバウンドストローク」 を確保するためです。

    クルマが地面の上に静止している状態(1G)と、ジャッキアップされている状態(0G)にて、タイヤの位置を比較すると、ジャッキアップ時の方が、少し下方に垂れ下がった状態になります。この、1G → 0G への変化にて、タイヤがストロークする量(下方に伸びる量)を リバウンドストローク量と呼びます。
  • このリバウンドストロークを スプリング&ダンパー単体にて図解すると、下記の様になります。
  • 上記のように、0G → 1G の変化にて、スプリングには、クルマの重量が加わることから、スプリングが少しだけ縮みます。また、1G → 0G では、スプリングが縮んだ分だけ伸び上がります。

    この 0G → 1G 間の伸縮量 = リバウンドストローク量

    となるのです。
    よって、このリバウンドストローク量は、スプリングレートに大きく左右されます。


    もちろん、スプリングの縮み量が多い LOWレートでは、リバウンドストローク量も多く、反対に、スプリングの縮み量が少ないHIGTレートでは、リバウンドストローク量は、少なくなります。
  • そこで!
    スプリングレートに関係なく、任意にリバウンドストローク量の設定、調整を行いたい場合は、テンダースプリングを活用します。

    テンダースプリングを装着すると、0G 時にテンダースプリングの長さを調整することで、リバウンドストローク量を変化させることが可能となります。

    ※ 下図は、同レートのメインスプリングにて、0G 時にテンダースプリングの長さを調整して、リバウンドストローク量を変化させています。
  • 以上の理由から、メインスプリングのレートに関係なく、リバウンドストローク量を調整して、セットアップを行いたい場合は、テンダースプリングが必要となるのです。


    では、なぜ、このリバウンドストロークは、必要なのでしょうか?

    その理由は、路面の凹凸や荷重移動により、走行中のタイヤは、バンプ側(縮み側)に移動するだけではなく、リバウンド側(伸び側)にも移動しますので、設定されているリバウンドストロークを超えると、タイヤは一瞬、路面から離れ空中に浮き上がり、グリップを失ってしまうからです。

    一般的に、リバウンドストローク量が不足すると、

    @ トラクションが安定しない(駆動輪のリバウンドストローク不足)
    A ブレーキングが安定しない(後輪のリバウンドストローク不足)

    といった症状の要因になることがあります。

    このように、リバウンドストロークは、リバウンド側(伸び側)にストロークしたタイヤが安定したグリップを確保し続けるため設定されているのです。


  • 86/BRZ のリアサスペンションでは、サスペンション方式、フェンダー内のスペース、および、設定する車高により、スプリング/ダンパーのストローク量が、十分に確保できない状況が多々あります。また、使用するスプリングのレートによっては、十分なリバウンドストローク量が確保できないケースも決して少なくありません。

    まず、ストローク量とは、

    フルバンプ = タイヤがフルに沈み込んでいるポイント
            (タイヤがフェンダー等にタッチして、それ以上、バンプ側にストロークできない状態)
  • フルリバウンド = タイヤが一番下に垂れ下がったポイント
              (ジャッキアップ等により、ダンパーが伸びきり、それ以上、リバウンド側にストロークできない状態)
  • この フルバンプ ⇔ フルリバウンド 間に、タイヤが移動できる距離のことを 「ストローク量」と呼びます。

    もちろん、1G ポイントは、フルバンプ と、フルリバウンドの間に位置し、この3つのポイントの関係をタイヤの中心点で表すと以下のようになります。
  • さらに、この「ストローク量」を細分化すると、

    @フルバンプ ⇔ A1G     間を バンプストローク 
    B 1G ⇔ Bフルリバウンド  間を リバウンドストローク
     

    に分かれます。
  • そして、この状態から同じスプリングレートのまま、ダンパーの全長調整機能により、車高を低くする場合、
    以下の位置関係となります。
  • 上記の変更にて、1Gポイントをフルバンプ方向に移動させたことで、バッチリと車高は下がりますが、
    @ と、A 間のストローク(バンプストローク)は、かなり短くなり、全体のストローク量も、
    車高を下げた分だけ調整前より短くなってしまうのです。
    (この変更では、同じスプリングを使用し、車高を下げていることから、リバウンドストローク量は変化しません)

    また、この状況では、バンプストロークが短くなっていることから、ハードな走行では、フルバンプして、
    タイヤがフェンダーに、タッチする可能性が高くなります。

    そこで、仕方なく、ハイレートスプリングにすると・・・、
    今度は、リバンドストローク量に問題が生じます。
  • このハイレートスプリングにより、フェンダー等に、タイヤがタッチすることは抑制できますが、上図のとおり、リバウンドストロークが減少し、全体のストローク量もさらに短くなってしまいます。こうなると、トラクションや、ブレーキングにて、リアの安定感が損なわれてしまう可能性が、非常に高くなります。

    しかし! このような状況でも、テンダースプリングを装着すると、ハイレート化によって減少したリバウンドストロークを任意に設定することが可能となります!!
  • このように、不足していたリバウンドストロークを取り戻し、トラクションや、ブレーキングの安定に大きく貢献できることが、テンダースプリング装着の最大のメリットとなります。

    もちろん、装着後も、テンダースプリングの長さの範囲内であれば、自由にリバウンドストローク量を調整できますので、使用するスプリングレートや、コースの特性により、セットアップいただくことも可能です。
    ※テンダースプリングは、線間密着時に、23.7mmの厚さがありますので、現行のメインスプリングの長さによっては、より短いサイズのメインスプリングを使用しなければ、装着できない場合があります。


HYPERCO テンダースプリング

品番 内径 レングス レート 密着長 密着荷重 税込価格 本体価格
ID インチ mm ポンド kgf/mm mm kg (2本/1セット) (2本/1セット)
HC60-TENDER 60 3 76.2 63 1.13 23.7 59.0 廃盤 廃盤
HC65-TENDER 65 3 76.2 55 0.98 23.7 51.6 廃盤 廃盤



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