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LAP.22 スプリングの長さによる乗り味の変化 



今回は、少し時間が空いてしまいましたが、スプリングの長さ違いによる、乗り味の違いをお伝えします。


以前、お話しましたように、ダンパーとスプリングが、一体式になっている、コイルオーバー式サスペンションでは、同レートであれば、スプリングの長さが変わっても、車高は変化しません。


でも、変化することがあります。それは、乗り味です。
今回は、このあたりのお話をしたいと思います。


よくスプリングをチョイスするときに、レングスを6インチにすべきか、それとも7インチかと、悩む方がいらっしゃいます。


当然、レートが同じであれば、スプリングの長さが変わっても、ロール量は、同じとなりますが、乗り味はちょっとばかり変わってきます。


簡単に説明すると、同じレートならレングスの長い方が、少しマイルド方向となり、レングスが短い方が、少し
ピーキーな方向となります。


なぜなら、スプリングは、短い鉄線の「ネジレ」により、荷重を受けているからです。
たとえば、スプリングを成型された状態から、”グルッグルッ”と、1本のワイヤーに戻したとしましょう。
もちろん、同レートなら、レングスが長いスプリングは、ワイヤーが長く、反対に、レングスの短いスプリングでは、ワイヤーが短くなります。


また、レングスの長いスプリングの方が、ワイヤー径が太くなります。


カンタンに説明すると、短くて細い鉄棒にぶら下がるのと、太くて長い鉄棒にぶら下がるようなものです。


下の図を見てください。





Aは、鉄棒は細いけれど、幅は狭い。
Bは、鉄棒は太いけれど、幅は広い。


ということになり、人がぶら下がったときのタワミ量は同じとなっています。このタワミ量が、
コイルスプリングで言うところのレートとなりますので、AとBでは、同レートの鉄棒となります。


しかし、もし図の人が、この鉄棒で大車輪をやったら、どうなるでしょう?


確かに、レートは同じでも、Aより、Bの方が、鉄棒は、「緩やかにシナル」と思いませんか?
これと同じ状況が、コイルスプリングでも発生しますので、乗り味が変わってくるのです。


ですので、同レートであっても、スプリングが縮んだり伸びたりするスピードが求められる、レースや
ジムカーナでは、比較的短いスプリングが使用され、乗り心地を重要視する、ストリートでは、比較的長い
スプリングが使用されます。


たとえば、これ以上、ロールはさせたくないけれど、乗り心地を向上させたい場合、7インチのスプリングを
8インチにするだけでも、効果は体感できるものです。




新商品の立ち上げ(BRAKING MEISTER ZONE/TM-SQUARE)で、なかなか更新ができず、すいません・・・。

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