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LAP.5 適正なスプリングレートB (クイズ タイヤのインチアップ編)

前回までのコラムで、なんとな〜く、スプリングレートによるセットアップのこと、わかってきましたよね?

今回からは、スプリング以外のパーツを交換したときに発生する「クルマ全体のロール量(ロール剛性)の変化」について話をしましょう。
要するに、パーツ交換により、変わってしまったロール剛性をスプリングレートの変更によって、適正値に戻すためには、どのように考えれば良いか、ということです。

よりわかりやすくするために、クイズ形式にしましたので、よ〜く考えてくださいね。

では、問題です。

ある程度、スプリングレートのバランスが取れているクルマがあったとしましょう。
(全体的なロール量、前後のバランスが取れているという意味です)


いま、4本とも17インチのホイールを装着していますが、18インチのホイールに変えようと思います。交換前のバランスと同じようにするには、交換後のスプリングレートは、今より硬くなりますか?それともやわらかくなりますか?


   


※使用するタイヤは、現行と同じ幅、同じコンパウンドで、グリップも同じです。




<正解はコチラ>














































答えは、やわらかくなります
なぜなら、インチアップするとタイヤの扁平率が変わりますよね。
(たとえば、17インチなら45でも、18インチになれば40とかになりますよね?)
タイヤの扁平率が低くなると、タイヤのヨコ剛性も、タテ剛性も上がってしまいます

タイヤのタテ剛性が上がると、同じスプリングでは全体的なロール剛性も上がりますので、硬く感じてしまうはずです。よって、今までのロール剛性でバランスしていたということは、スプリングはやわらかくなる方向だということです。

当然、レーシングカーでも、18インチから19インチに変更すれば、スプリングは、やわらかくなる方向になります。

タイヤも、サスペンションの一部だと理解していれば、カンタンですよね。この問題は。

よく、「インチアップしたらシッカリ感はあるけれど、乗り心地が悪い」って言ってる人がいますが、それは当たり前。ちゃんと、スプリングレートを変更して合わせてあげないといけない、というわけです。

あと、まったく余談ですが、扁平率が低くなると、タイヤのヨコ剛性が上がることから、キャンバー角も少なくてすむんですね〜。

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