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ウルサ系、 山口義貴。
車高調  クラックス+ハイパコ
フロントバネレート  20.0kgf/mm
リアバネレート  22.0kgf/mm
キャンバー  F-4°30′/R-3°30′
トゥ角  F-0°/R-10′IN
“普通”の凄さが実現する筑波58秒2。
さらに57秒へ。

idlers Games Supercup SSクラス。チューニングポルシェとそのライバルたちが競い合うアイドラーズのトップカテゴリーだ。その凄さは、筑波サーキットにおいて、ポールポジションが1分切り。1分1秒台でも中堅グリッドであり、このタイムで決勝周回を闘いつづけるということからも想像できるであろう。ここが、ポルシェ993GT2改を駆るパイロット山口のステージである。この領域での闘いにおいて「普通であることがなにより大切だ」という。つまり「普通とは不自然さを感じないことなのだ」というのである。「本来、そう動いて欲しいものが、動いて欲しいように動くということ」。こうした足まわりを求めて山口も試行錯誤を重ねた。その中でスプリングという機能に行き着いたのだった。「以前は某社の製品を使用していたが、硬さ=柔らかさの変化があった。変化があるということは普通ではない。そこで、ハイパコを採用した」のである。その彼がハイパコの良さを語った言葉が印象的だった。「よく下から上までリニアだというが、大切なことは最初から機能を発揮していることだ。これは、一般道でも具体的に体感することができる。それは、まず、微振動がないこと。これは最初からきちっと効いているということなのだ」。次に不安がないことだとつづける。「ハイパコは柔らかく感じる。しかし、姿勢がしっかり保たれているので不安を持たずドライビングに集中できる」というのである。「つまり、普通の感覚でいることを実現する技術。これがハイパコだと思う」。暴れる600HPマシンを制御するために求めた機能は“普通”を普通にすることだった。ハイパコが訴求する機能本質が、これらの言葉に詰まっている。


 
技術係、石井将樹。
車高調  Super OHLINS Type-R
      +
ハイパコ
フロントバネレート  17.9kgf/mm
リアバネレート  17.9kgf/mm
キャンバー  F-2°00′/R-2°30′
キャスター角  5°50′
富士スピードウェイ、
高速コーナーの回頭性や安定感の向上で2秒短縮。
ピーキーという形容詞が、その操縦性に冠せられる初期型S2000。オーナーは某精密機器メーカーの技術系サラリーマン、石井氏である。2004年、参戦していたJAFジムカーナに有利な車輌として購入。しかし、練習のつもりで通い始めたサーキット走行に引きつけられてしまったのであった。現在は、年4戦のFSST(Fisco Special Stage)がメインとなっている。が、「エンジン本体や車体には手をつけない。これが自分の中のお約束です」と言う。アブソーバーとコイルは変更してもアーム類はすべて純正。タイヤサイズもメーカーのスペックから大きく外れないようにしている。「長く愛車とつきあうことやリスクの回避、なにより、万が一の場合の復活の早さとコストを重視している」のだ。したがって、石井氏がもっともこだわる部分が足まわりである。このこだわりから巡り会ったのがエレガントスポーツAZURの川村氏であった。川村氏は、オーリンズの国内向け製品のテストドライバーであり、当然のようにAZURセットのSuper OHLINS Type-Rをアブソーバーに採用。しかし、「富士スピードウェイの高速コーナーでの回頭性や安定感に不安があった」。そこでスプリングを見直すこととなり、ここに、ハイパコが選択されたのである。「高速コーナーでの安定感が比べものにならない。ダンロップコーナーや13コーナーからネッツコーナーにかけて、左右の切り返しが早くなり、ラジアルタイヤで2秒の短縮となった」と、その操作性と安定感への実感を語る。もちろん、コストパフォーマンスにも納得していると言う。ちなみに、約18kのバネレートは固すぎるように思うが、S2000のサスペンションは前後共にダブルウィッシュボーン。構造上、ショックアブソーバーの下端取り付け部を車体外側に出す事ができず、ロアアームの途中に取り付けることとなり、テコの原理によってレバー比が約1:1.5と高くなる。つまり、ストラットタイプと違い、レバー比がテコとストロークによって2乗で効いてくるので、18÷1.5の2乗=8となり、ホイールセンターで8k程度にしかならないのである。



 
社長、 長谷川 務。
車高調  クアンタム+ハイパコ
フロントバネレート  12kgf/mm
リアバネレート  16kgf/mm
ニーズ  '96ノーマル993で富士2分切り
富士スピードウェイ100Rで、
踏み込めるようになった。

特殊トラックの電装システムや鉄・ステンレスによる建築用品を製造する富士市のハセテック。その代表取締役が長谷川 務氏である。愛車は'96年式ポルシェ993。自社の技術を活かし、自分のためのパーツを製作していたのだが、いまではその噂を聞き込んだプロショップからもオーダーが入るほどである。自らのサーキット走行で気になるパーツをつくり出すことが、ユーザーのリアル・ニーズにマッチしているからなのであろう。長谷川氏がハイパコと出会ったのは、ポルシェ専門ショップ&ワークスのテクニカルメイトからの推奨による。長谷川氏のオーダーは、ノーマル993で富士スピードウェイを2分を切って走りたいというものであった。弱点だったのは、ネッツコーナーと100R。回頭性とアクセルの踏み出しの遅れにより走行リズムに乗れなくなるのであった。このニーズを受けたテクニカルメイトがクアンタムとハイパコをセット。ネッツコーナーでは少しブレーキを残すだけでスムーズにコーナー姿勢をつくり、100Rでは他のポルシェ勢が出口でふくらみアクセルを踏めない状態がつづくにもかかわらず、ハイパコ・セットではハーフスロットを保ち、さらに踏んでいけるようになったのだという。「軽量化したクルマにもひけをとらず、むしろつめていけるようになった。しかも、ドライビングが楽になった」と長谷川氏。2007年暮れ、1分59秒099。長谷川氏のオーダーであった2分切りがついに実現したのである。


 
郵便職員、 本良 晃。
車高調  クアンタム+ハイパコ
フロントバネレート  900ポンド
リアバネレート  1000ポンド
キャンバー  F 3°/R 2.2°
トー  F 0.5mmイン/R 2.5mmイン
スライドを感じてから、
一呼吸分の対処時間ができた。

喜びや悔しさや怒りや生活の糧や。人生のあらゆる会話を運ぶ郵便職員、本良 晃氏。彼が選んだ一台が、RX-7 FDであった。スタイルはもちろん、なによりそのコーナリングパフォーマンスに惹かれ、 もう10年のつきあいになるという。サーキットは月1回程度のスポーツ走行を楽しむ程度。したがって、内装もエアコンも装着状態となっている。それでもFD特有の切れるようなコーナリングを楽しむことができる一台である。しかし、前モデルのFCに比べ短縮されたホイールベースやトラクションの弱さから、そのパフォーマンスは時としてトリッキーな動きとなってしまう。これを抑えるために、某メーカー製品のコイルとクアンタムのセットを装着。しかし、サーキットスペックのそれは、激しい突き上げだけが増加し、トリッキーパフォーマンスへの抑制力に違いはなかったのだった。ノーマルFC/FDのようにトゥーコントロールでごまかさないこと。そして、某メーカー製品のコイルのように人間に負荷をかけないこと。この条件で選定されたのがハイパコであった。その結果は、スライドモードに入った瞬間から動き出すのではなく、一呼吸のタメができたという。このわずかな時間によって得られる余裕が次への対処力となるのである。しかも、柔らかい。それはフワフワと足が定まらない軟弱性ではなく、ちゃんと追随し、踏ん張るのに、優しい。この足まわりを手に入れた本良氏は、クルマの基盤が強くなった。たしかに高額だが、それだけのことはあると証言する。


 
サラリーマン、 野尻 淳。
車高調  クアンタム+ハイパコ
フロントバネレート  14kgf/mm
リアバネレート  16kgf/mm
キャンバー  F-3°25′/R-4°49′
トー  F-0°01′/R+0°21′
筑波コース2000、Porsche 930 Turboで
1分02秒をマーク。

その爆発的な加速が我々を引きつけてやまないスーパーウェポンPorsche 930 Turbo。しかし、NAの前後重量比がほぼ3対7であるのに対し、リアセクションに装着されたインタークーラーなどにより、さらに歪な2.5対7.5バランスとなり、それゆえに増加したトリッキーな動きをいかに制御するのかが世界のチューナーのみならずポルシェAGのテーマとなった一台である。この扱いづらいマシンの速さに魅せられ、制御に喜びを求めた男がいた。サラリーマン、野尻 淳である。ナンバー付き車輌で許される範囲のモディファイをはじめ、パワーの源となるエンジンへの投資に全資金を投下した。が、一瞬の間を待たなくてはアクセルを踏みきれない。もっと早く踏めること。そのために姿勢変化への追随性を高めること。現在の筑波サーキット・コース2000のベストタイム1分03.2秒の短縮へ。しかし、サラリーマンゆえの予算的限界が壁となって立ち塞がったのである。この壁を越えるために、野尻が注目したのが、パワーを受けとめる足回りのリセット。なかでもスプリングの再設定であった。アブソーバーの減衰はコイルオーバー化時の設定を活かし、少ない予算、それでいて実感できる違いへ。この想いに応えたのが、ハイパコであった。安心できる姿勢。わずかだが早く踏める足。そのわずかな短縮の積み重ねが1.2秒短縮というリザルトにつながったのであった。


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