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部長 澤村 卓。 |
取付車種 |
Skyline 2000 GTR |
車高調 |
オーリンズ+ハイパコ |
フロントバネレート |
10.0kgf/mm |
リアバネレート |
8.0kgf/mm |
キャンバー&トー角 |
純正状態 |
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ヒストリックカーだからこそ
安心して走らせたい |
1972型スカイライン2000GTR。スカイライン神話を創り上げたこの一台は、澤村氏にとって神話などではなく、もっとリアルな一台として迫っていた。
彼が小学生だった頃、お父上の愛車がスカイライン2000GTだった。その助手席に乗った時、必ず語られたことがGTRのことだったのだという。その熱い言葉に引きつけられ、お父上が亡くなられた中学生の頃以来、GTRに関する雑誌記事や写真を切り抜いてストックしていたのだった。
さらに不思議なことは続くもので、10年ほど前に上司となった方のお父上がスカイライン2000GTのデザイナーだったことが分かったのだ。こうなると買うしかない。と、当時のお父上の年齢になったことを契機に決断。まず賃貸の露天駐車場を確保し、奥様の怒りをサクッと受け流してファミリーカーを移動。ついに念願のGTRを自宅ガレージに納めたのである。2005年のことだった。
そこに前述の上司のお父上まで見に来られたのだとか。当初は宝もののように磨き大切に保管するつもりであり、購入したことで一件落着かと思ったら「やっぱり思いっきり走らせたい」という想いが膨らんできたのだった。
「ところがパーツはないし、あったとしても高額過ぎて手が出せない。また仮に手に入ったとしてもオーバーホールをしなくてはならない」などの問題に直面したのである。「自動車なのだから走らせたい。そのエキゾーストノートをオヤジにもとどくように響かせたい。しかしパーツへの不安を抱えたままでは走りを遠慮してしまう。GTRだって開放されたいのだと思った。
そこで、ノーマルレストア趣味の方からは叱られるかもしれないが、ブレーキと足まわりには最新のシステムを組むことにした」のだという。安心できる減速のためにブレーキキャリパーにはブレンボを装着。同様に安心できる走行とコーナリングを確保するために、足まわりにオーリンズとハイパコの組み合せを選択したのである。「ちゃんと走らせるためには安心できることが第一。
たとえヒストリックカーであっても、いやヒストリックカーだからこそ、貴重なボディに負荷をかけないためにも足まわりはリニアな動きのものを選びたい」。澤村氏のこの方法に当初は批判もあったという。が、その走る姿を見せつけることで、それらも聞かれなくなった。ここに旧車レストアの方向が、またひとつ生まれたのだと思える。 |
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